『THE TEAM 5つの法則 』書評

『THE TEAM 5つの法則 』書評

先日社内MTGで取り上げられた書籍が2冊あり、
すでに1冊読み上げたので感想をまとめておきます。

電子版は帯まで表紙に取り込まれていますね。
このような細かい点へのフォローは幻冬社が提携をしているだけあって、徹底していますね。

出版元はNewsPicksさん。
NewsPicksさんといえば先日見城砲で株価が暴落し、少しだけ話題になりましたね。

見城さん、ほんとブレないな….。

僕はNewsPicksのアプリ自体をかなり初期にダウンロードしていて、実際使っていたのですが、 有識者(?)のしったかコメントの数々が胡散臭くて、雰囲気も好きになれなかったです。最近の動きは全く存じていませんが、 その後いかがなのでしょうか。

読者は誰を想定しているか

つまるところ『THE TEAM』という本なぐらいなので、チームマネジメント、組織育成本です。ということで、読者も当然リーダー以上、組織マネジメント層以上を想定して書かれています。

内容について

具体特に心に残った点を、下記にて要点をピックアップして記載しておきます。

1.グループとチームの違い
2.目標は3つ
3.無意味なコミュニケーションをしない
4.心理的安全性
5.やりがいの時代
6.いくつかの落とし穴&そしてそれらへの対策

1.グループとチームの違い
目標の有無の違いです。
目標がないのがグループ、あるのがチームです。

2.目標は3つ
意義目標、成果目標、行動目標です。
意義目標は、「今月もがんばる」とか、具体的な数値基準のある目標です。 成果目標は、「今月も○○件受注する」とか、具体的な数値基準のない目標です。 行動目標は、「○○を納品し終える」とか、実行の有無が明確な目標です。
自分自身の経験から申し上げれば、この意義目標・行動目標は中々に厄介です。 例えば成果目標が達成できなくても、意義目標・行動目標に逃げて評価を求めくる人が思いの外多いからです。 本書の中には詳細記載ありませんが、「OKR」と呼ばれるそれらに対する対策もあるようです。

Google・Facebookも採用する『OKR』とは?

3.無駄なコミュニケーションをしない
コミュニケーションコストのカットを推奨しています。 あくまでも「無駄」なコミュニケーションのカットです。(当然雑談などは含みません、僕は社内では、むしろ雑談を推奨しています) 自分は本書の中で書かれている不必要なコミュニケーションとは、 例えばルール化されている明確な事項についての確認や、 ググればわかる程度のことを質問し、上司を拘束する業務効率化を阻害する、 コミュニケーションのことを示していると解釈しました。それらは確かに不要ですね。

4.心理的安全性
Googleが提唱している「心理的安全性」について説明しています。 チームが最高のパフォーマンスで機能する上で必要な、潤滑油のようなものと自分は解釈しました。 例えば人には色々な感情があります。
「怒られたくない」
「無能だと思われたくない」
「疎外感を味わいたくない」
自分は正直恥のかき捨てだと思い、 新卒2年目ぐらいまでは働いていたので、 正直あまり感覚的に納得できない点もあったのですが、全員が全員、そんなメンタル構造では当然無いはずなので、理解自体はできるが、正直あまり腑に落ちない概念でした。

5.今の人は「感情報酬」で動く
これはかなり前から言われていることですが、 ここ数年で特に「生きがい」「働きがい」が求められてきている気がします。 ただし、一時期よりかは勢いが落ちている気もします。 自分自身、「感情報酬」で100%動く生き物なので、 この点については強く納得することができました。

6.いくつかの落とし穴&そしてそれらへの対策
いくつかあるので1つだけピックアップして説明します。 例えば、「社会的手抜き」。 組織の中で一人が手抜きをして仕事をしていた場合、 「○○さんが手を抜くから、自分も手を抜いていいのでは?」と考え、 マイナス感情がチーム全体に広がってしまう落とし穴のことですね。 特に掛け算で例えていた例えがわかりやすく、 例え10のひとがいたとしても、ひとりでも-3のひとがいれば、10×-3=-30 と結果大きくマイナスになります。 この例えはわかりやすい。 当然これらについての対策も、本書の中に明記されています。(それは買って読んで確認してください)

長くなってしまいましたが…

自分自身、今の会社の中で5回チーム移動しています。 在籍5年の間、会社も大きく変わりました。 いつの間にかチーム制度、チーム目標も消失し、 現在は会社、部署、個人レベルでの目標だけで成立しています。
社風も社名も、 評価基準(定性ではなく定量評価が増えた)も、 人員(20名前後から50名前後に)も、 大きく変わってしまう変動期を経験しています。
今も、会社が変わろうとしています。 例えばここ一年ほどで、 「ルールの徹底」この点はとても強くなっている気がします。 ルールを社内wikiで会社全体で管理し、徹底しています。 時たまルールを逸脱する人もいますが(良くも、悪くも)、 そういうルールを逸脱した人はルール作りに参画してもらい、 ルールをより強固なものにしようとする動きが自然と働いています。
最初は抵抗感がありましたが、今では全く抵抗感がありません。 前述しました通り、ルール化の最大のメリットは無駄なコミュニケーションコストの削減です。 ルール化によって受ける心理的な負荷や不快感よりも、 メリットを享受できることの方が遥かにプラスなので、個人的には許容できています。

最後に

組織とは常に変化し、最適な形になろうとし続けるものだと自分は考えています。『THE TEAM』一冊読めば、チーム作りの真髄を理解できるわけではありませんし、自分にとってむしろチームの目標よりも個人の目標達成に対する欲が強いので(そもそもチームはない)、 そこまで役立つことが書かれていたかと言われたら疑問形です。

ただし、ルソーの『人間不平等起源論』に書かれているように、 狩猟の基本はゲーム理論、 複数人で大物の獲物を狩る効率性に敵う効率は自然界には存在しません。 自分はいずれ組織が成長すればすれば、 突出した個々人が小組織を統率していくような形に(つまりはチーム制に)自分の所属している会社にゆくゆくは戻っていくのではないかと考えています。 薄っすらとですがそういったビジョンを自分は見ることができたので、 それだけでも価値が十分にある1冊でした。