『いちばんやさしい Googleアナリティクス 入門教室』書評

『いちばんやさしい Googleアナリティクス 入門教室』書評
いちばんやさしい Googleアナリティクス 入門教室
出版社: ソーテック社 著者:小川 卓,工藤 麻里

「Amazonから届かないな〜」などと呑気に構えていましたら、なんと発売前に予約していたつもりが予約できておらず、昨晩hontoで御茶ノ水の丸善に在庫があることを確認し、帰宅途中に受け取ってきました。

お恥ずかしい限り。勘違いって怖い。

2019年4月現在、AmazonだとAmazon在庫がなく、定価の15%増で販売されております。楽天市場などではまだ在庫があるようなので、気になった方は是非どうぞ。

所感

初心者〜中級者向けの内容です。実務経験が3年以上の人には少し退屈な内容かもしれません。ただし本書はGAの内容がかなり網羅されているので、復習や、学び直しには良いテキストではないかと思います。特に実務経験がある方ならご存知かもしれませんが、アナリティクスの機能は多岐にわたりますが、経験がある方であればあるほど、見る部分はいつも見る部分というのは、意外と気づかぬうちに固定的になっていたりすることが珍しくありません。例えば本書を一読し、自分はレポート機能、カスタム指標について理解が足りていなかったことを痛感しました。自分の場合は実務経験4年ほどですが、それでも学びはありましたので、運用型広告に携わりつつ、その傍らでGAに触ってきた程度の方であれば、一読することで何かしらの学びを得ることができるかもしれません。

誰が読むことを想定して書かれているか

上記同様、初心者〜中級者向けです。
特に代理店の新卒・第2新卒の方などにおすすめです。
「GAを実際に使ったことはある」
「GAをざっくり理解している」
「用語の意味を正確に説明できない」
といった方にとって、とても良い書籍だと思います。

セッションやセッション時間など、意味を間違えて捉えがちな用語を、実際の管理画面を使って正しく注釈を用いてフォローしている(本書 p12より抜粋)

例えばこういった管理画面に注釈が入り、実際に指標の用語が示している意味を説明しているページなどが、本書では散見されます。特に初級者にとって、用語の理解は思いのほか時間がかかってしまいがちな工程ですが、言葉の意味を正確に理解し身に着けることはとても大切なことですので、しっかりと本書を通じて身につけていただければと思います。

良かった点について

1.初心者にはわかりやすい図解&注釈

前述通りわかりやすいです。「わかりやすさ」とは、それだけで価値があります。そしてもちろん情報の正確性も高いです。著者である小川さんと自分は面識はないのですが、調べてみると初心者向けセミナーから、超高額のGAセミナーまで幅広く教えられている講師の方とのこと、やはり「印刷物を通じた上でのわかりやすい正しい教え方」も心得ていらっしゃいます。この点はご安心ください。

2.中級〜上級者もつい読み飛ばせない、細部についても言及

実務経験2年以上の方にとって、GAはかなり使う機会の多い、ありふれたツールのひとつとなっているのではないでしょうか。自分の場合、前述した通り、レポート機能、カスタム指標についての理解が欠けており、ぱらぱらとめくっただけでも、「何?こ、これは…」と狼狽するような情報が記載されているページが複数あり、つい見入ってしまいました。例えばセッションの切れるタイミングや、GAタグがGA側にどういった情報を送信しているかなど、運用に直接関係ないものの、知っていることで知識として役立つ情報を数多く自分は学ぶことができました。

3.GAIQの練習問題

結構Google関係の試験内容が書籍で読めるのって貴重かも。
(本書 p336〜p355がGAIQ試験過去問)

GAIQというGAの認定資格試験の過去問がかなり詳細に書かれています。Googleの提供している認定資格試験の多くはそのまま無理やり翻訳ような、理解の困難な文章で問題そのものが書かれているものも多く、意味を深読みしたりしながらでなければ読み進めていけない問題も数多くあるのですが、こういった形で過去問として提示されており、なおGAのプロの解説が各問ついているというのは、とてもありがたいですね。

言及していただきたかった点について

1.GAをどこまで信用するか

GAのデータをどこまで信用するかといった点については、なかなか悩ましい問題です。実際に本書の中でも記載あった「興味関心」など、正直自分はあてにならないと思っています。年齢・性別など、Googleアカウント情報で参照可能なコンテンツ情報はここ数年で少しだけ精度があがっているようにも感じますが、まだまだ100%には程遠いといった印象です。現に、自分はGoogle上では「20代前半のガーデニング好きの女子」として認定されていましたから(過去の自分のマイアカウントデータを参照)世界のGoogleといえども、その程度の参照力しかありません。精度の高いセグメントであったとしても、精度は高くても7割〜8割程度でしょう。(GAは一般的に無料のツールです。無料である以上、ある程度は品質が低いことには目をつむりつつ、許容した上で付き合っていく必要性があります。ただし、無料といいつつも7〜8割の精度の高さは驚異的な高さなのですが…)

特に一般の多くの方は、Googleのことを「すごい企業」と認知しており、Googleの出すデータは全て正しいとすら思ってしまう方も、けっして珍しくありません。そういった方もいることを配慮しつつ、GAの情報をどの程度信じてサイト運用に役立てていくか、その点については言及があっても良かったのではないかと思います。(ただしそれを記載すると、無為な混乱を招くと著者が判断された可能性はあるかと思います。あくまでも自分は一定の情報を鵜呑みにする層のために記載した方がいいとは思いますが…)

2.GAアプリ版についての言及

アプリ版については強く言及いただきたかったです。

自分自身のiPhoneにおける過去7日以内の「iPhone起動時に最初に使用したアプリ一覧と回数」アナリティクスが2位の人はこの業界でも少ないのでは?

現に自分自身が熱狂的なGAアプリユーザーというのもありますが、より便利でかつ、快適な使い方を現在模索している最中でもあるので、この点については詳細な情報を記載いただきたかったです。

3.外部データを用いた、よりダイナミックな分析について

例えば気象庁のデータを用いて天候と購買データの比較など、スプレッドシートやGAのレポート機能を駆使すれば簡単に作成することができます。自分自身このレポート作成方法は、過去に読んだGA書籍(『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』)に記載あったものそのものでもあるのですが、自分も実際にクライアントにそれを見て、気象情報と購買データを関連づけるレポートを提出したこともあります。そういったレポートの作成例なども、実例あれば掲載いただきたかったです。

最後に

「GAについてまだまだ理解が足りていなかったな」と反省しつつも、自分はGAIQについて、とても興味が湧きました。近々受けてみようと思います。また試験結果や具体的な勉強方法、受験方法などもまとめて掲載できればと思います。

追記

下記記事にて、GAIQ取得のために副読本で用いた、別のGA解説本の書評も掲載しています。ぜひ一読ください。

下記記事で詳細を紹介していますので、GAIQ取得を希望される方はぜひご参考にください。

また本記事が、著者の小川さんに直々に読んでいただけたようです。

ありがたいこと、この上ないですね。

書評本:『いちばんやさしい Googleアナリティクス 入門教室』出版社: ソーテック社 著者:小川 卓,工藤 麻里